Book Impressions 【宿命】 東野圭吾
作品名:宿命
著者:東野圭吾
1990年に刊行された。2004年にはWOWOWでドラマ化されて放送された。
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果たすとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。
感想
ある会社の元社長が病死し、その人の四十九日に事件が発生する。
犯人やトリックは小説の終盤にならないとわからない。
このごく一般的なミステリー要素もあるが、この小説にはミステリーとは別に主人公とその宿敵相手、この二人の過去と現在の因縁の糸の正体は?二人の宿命とはどんなものなのか?という謎もある。
「殺人事件と宿命の謎」二つの物語の面白さがある。
今までの単純なミステリーとは違ったものになっている。
また、小説の残り10ページで想像にしなかった意外性がある。
最後の最後まで仕掛けがあり、楽しませてくれる作品だ。