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Book Impressions 【使命と魂のリミット】 東野圭吾

作品名:使命を魂のリミット

著者:東野圭吾

 

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2006年12月に新潮社により刊行された。

 

「医療ミスを公表しなければ病院を破壊する」突然の脅迫状に揺れる帝都大学病院。「隠された医療ミスなどない」と断言する心臓血管外科の権威・西園教授。しかし、研修医・氷室夕紀は、その言葉を鵜呑みにできなかった。西園が執刀した手術で帰らぬ人となった彼女の父は、意図的に死に至らしめられたのではという疑念を抱いていたからだ…。

あの日、手術室で何があったのか?今日、何が起こるのか?大病院を前代未聞の危機が襲う。 

 

2011年11月に吉田紀子さん脚本のもと、土曜ドラマスペシャルにて放送せれた大作である。

主人公の研修医を石原さとみさん。指導教授役に舘ひろしさん速水もこみちさん、倉科カナさん 

ほか、 豪華な顔ぶれが揃った。

ドラマでは、かつてないほどに本格的な心臓外科手術シーンにもご注目される。

 

感想

ドラマにもなったことからも感じるように、

この物語は単にスリルあるミステリーではなく感動要素も強い。

読み終わったときには、心の中がポッと優しく包み込まれた。

 

ちょうどこの小説を読む前に、父親と電話でこんな話をしていた。

「この世に生まれるときに、人間は神様から使命を与えられていると思う。」

なぜこんなシリアスな会話になったかは覚えてないが…。

 

父親いわく自分の使命は「人のために尽くす」ことだといっていた。

 

その後、この小説を読んで心に思ったことは、

結局のところ人間は「人のために役に立つ」ことが使命となるんだと。

 

「人のために役に立つ」ということがどんな職業や方法にしても、

その気持ち・行動があれば使命を真っ当しているといっていいのではないか。

 

小説で人生を考えさせられる、なんて面白いんだろう。

 

 

使命と魂のリミット (角川文庫)

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使命と魂のリミット [DVD]

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Book Impressions 【夜明けの街で】 東野圭吾

作品名:夜明けの街で

著者:東野圭吾

 

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2007年6月に小社より刊行された。

 

不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる。

建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に墜ちた。2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱える複雑な事情を知ることになる。15年前、父親の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。彼女は真犯人なのか?渡部の心は揺れ動く。まもなく事件は時効を迎えようとしていた…。 

 

感想

男女の不倫関係をテーマにした物語だ。

展開・季節の流れが早いため、読みやすく次々とページを捲ってしまう。

 

いけないと思いながらも、自らの欲望に勝てない。

取り返しのつかないことになるかもしれない…と頭脳は訴える。

それなのに、なぜ行動や言葉は制御できないのだろう。

人間の精神の弱さや未熟さを改めて思い知らせれる。

 

クライマックスまで読むと、自分の欲望に勝てず突き進む人・傷つきながらも我慢し現状を維持する人・自分の意思を貫く人と、実に様々な人間模様が描かれている。

 

結局はなにが正しくて幸せになれるのかはわからない。

 

ビートルズの「Let it be」の歌詞が物語っているように、

人生は~あるがまま~に流れていくものなのかと…。

 

 

夜明けの街で (角川文庫)

夜明けの街で (角川文庫)

 

 

夜明けの街で

夜明けの街で

 

 

Book Impressions 【悪意】 東野圭吾

作品名:悪意

著者:東野圭吾 

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1996年9月に株式会社双葉社より、単行本として、

2000年1月に講談社ノベルスとして刊行された。

 

人気作家・日高邦彦が仕事場で殺された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみである野々口修。犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。

人はなぜ、人を殺すのか。超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰。 

 

感想

 

ストーリーは、それぞれの見解を手記・記録形式で描いた形で進んでいく。

通常は主人公目線でストーリーが展開されていくが、

この作品では主人公のほかに、周囲の人目線の見解も描かれている。

そこが、なかなか新鮮で面白い。

この作品の面白さはもう一つあり、犯人は小説の前半でわかる。

多くの小説は、だれが犯人なのかクライマックスまでわからず、読み手はその犯人を独自に推理しながら読み進めていく。

しかし「悪意」では、前半に犯人がわかるため、読み手は犯人探しをするのではなく、犯人の”動機”を推理する。

これは、人間性・感情の変化・過去等から読み取っていくので大変奥が深い。

 

 作品を読んでいると、何度も騙され困惑させられる。

ミステリー小説等を読むときは、「だれが犯人なのか」「犯人の動機はなんなのか」と無意識に自分で推理をしながら読むのだが、その考えを何度もとことん裏切られる。

それが悔しくとも、面白いところなのだが。

まんまと筆者のかけた罠にハマリ、無意識の思い込みをする。

 

自らの日常生活においても、相手の言動・行動によって、人は無意識に操作されているのかと思うと、なんだか可笑しくなった。

 

 

悪意 (講談社文庫)

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